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裁判例:自転車事故と親の責任 

 

横浜地裁平成29年3月29日判決

自転車事故と親の責任についての裁判例紹介です。
横浜地帯平成29年3月29日の判決になります。

自転車の事故で加害者側の責任について、両親も責任を負うという監督責任を問われた内容です。

 

事故態様

事故態様としては自転車同士の事故です。
自転車が走っていて、そこを追い抜いて前に入ったところ、追い抜かされた自転車が追突。

追い越し自転車が加害者とされています。

加害者とされたのは中学3年生、14歳。
未成年のため親の責任があるのではないかということで、両親も被告にされて、損害賠償請求訴訟が起こされました。

 

裁判所の判断

裁判所は両親の責任は否定しました。
このような自転車の運転について、そもそも直接的な監視下にないということを指摘。

基本の自転車の運転については、日頃の運転態度を見て具体的な危険を予見することが可能であるなど、そのような特別な事情がないときには責任を負わないというような話で、責任を否定しました。

「被告Y2及び被告Y3は被告Y1の親権者であるが,本件事故当時,被告Y1は14歳11箇月の中学3年生であり(前記第2の1(1)イ及びウ),責任を弁識する能力があった者であること,親権者の直接的な監視下にない子の行動についての日頃の指導監督は,ある程度一般的なものとならざるを得ず,自転車の運転においても,日頃の運転態度において,事故を惹起する具体的な危険性を予見可能であるなどの特別の事情が認められない限り,子に対する指導監督義務を尽くしていなかったということはできない。」

 

未成年者の交通事故で、親の責任については、肯定例も否定例もあります。

どの程度の場合に責任を負うのかの一つの判断基準になる裁判例だと思いますので参考にしてみてください。


 

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