
77歳の女性が、バスに乗車しようとした際、バスの発進によって転倒し、ケガを負ってしまったというケースです。
裁判所では、運転者のクラッチ操作ミスを認定し、これを大きな過失であるとしました。
また、被害者は、整理券を取ろうとしたタイミングだったとして、片手を必要とする動作中だったので、手すりをつかんでいなかったことを責めるべきではないとして、過失相殺を否定しています。
一般論として、バスは一定の確率で急発進等が生じるものなので、乗り降りの際には、手すりをつかむなどして安全を確保する必要があるとしつつ、上記運転手の過失を認定し、バス乗車において一般的の生じる危険性に由来する事故というわけではないとし、過失相殺を否定したものです。
バスなどの乗り降りの際の転倒事故としては、チェックしておきたい判決です。