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裁判例:通勤中の事故と使用者責任

 

東京地裁平成16年3月24日判決

交通事故の加害者が、通勤中や帰宅中の運転であった場合、加害者本人だけでなく、その加害者を雇用していた会社等に対しても、損害賠償請求ができないか問題になります。

民法715条の使用者責任を問えるかどうかという問題で、「事業の執行について」事故を起こしたかどうか、の判断になります。

東京地裁平成16年3月24日判決は、マイカーで工事現場に直行する際に起きた事故について、

 


「被告においては,従業員が自分の自動車で工事現場に行き来することは原則として禁止されており,自家用車を使用する場合には,被告代表者の許可を必要とする旨定められていた。そして,被告代表者は,その本人尋問において,Aが自分の自動車で工事現場へ通勤していたとしてもそれは知らなかった旨供述し,もし それを知っていれば,注意をしたはずであるし,注意しても聞き入れなければ会社を辞めてもらうこともあった旨陳述する(乙10)。前記のとおり,本件事故時と同様,Aが工事現場への往復に加害車を使用することがこれまで全くなかったとは考え難く,被告代表者とAとの関係からすれば,同代表者が,そのことを知らないということに疑問がないわけではない。しかし,前記認定のとおり,加害車は,被告事務所兼被告代表者自宅からは離れたAの自宅近くに保管されていて,日頃被告代表者がその運行状況を把握できたとは認めがたく,普段は,Aも従業員らもそれぞれ自宅から直接各工事現場へ赴いていていたことからすれば, 被告代表者が,Aが加害車で工事現場へ通勤したことを知らないとしてもそれが殊更不自然というわけではない。被告の求人広告(甲53)に「車通可」の記載 があるが,同広告は2004年(平成16年)1月14日号に掲載されたもので,被告事務所所在地も本件事故当時とは異なっており,従業員の勤務形態等現在 の被告の状況が本件事故当時と同様であるかどうかは明らかではない。
 被告においては,本件事故当時,Aも他の従業員同様,原則電車を利用するよう取り決められ,自家用車を使用する場合に許可を得る方法も定められてい たのであり,Aが加害車を利用して工事現場に赴くことがあったとしても,被告において,自家用車使用を禁止しながら,他方でこれを容認していたといえるよ うな事情があるとまでは認められない。
 以上によれば,本件は,被告の業務の執行中の事故であるということはできないから,被告に使用者責任があるとはいえず」

 


として、会社に対する請求を否定しました

通勤事故の使用者責任を追及する際には、会社側の認識がどうだったのか、しっかり主張していく必要があります。

 

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