好意同乗は、被害者が、加害車両に、自らの意思で乗っていたことで、交通事故に遭った場合、その損害賠償請求を減額するかの問題です。
無償で乗せてもらうという好意を受けていることから、運転者に対する損害賠償請求を全額認めるのはおかしいのではないかとの考えです。
従前は、このような好意同乗の場合に、過失相殺と同じように減額を肯定する裁判例も多くありました。
しかし、これを過失と同じように扱うのは被害者側にとって酷です。
そこで、最近では、単なる好意同乗だけでは、減額をしないという裁判例が主流です。
もっとも、事故の下人が、危険な状態(たとえば飲酒)などで、被害者が、それを認識していたり、助長していたようなケースでは、被害者にも責任があるとされ、損害賠償請求が減額されることがほとんどです。
この場合も、単に危険な状態を認識していただけか、助長や誘発までしていたか、で減額割合は変わるとされています。
文献等では、単に危険な状態を認識していただけのようなケースでは、5~20%、助長や誘発までしていたケースでは10~50%の減額がされると分析されています。