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後遺障害

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後遺症の内容

 

脊髄障害

 

脊髄障害が交通事故の後遺障害で残ることがあります。


ただ、医師が単に脊髄損傷と診断していても、自賠責で後遺障害認定がされないケースは多くあります。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.28

 

脊髄は、脳からの指令を手や足などの末梢器官に伝達したり、逆に末梢器官からの情報や信号を脳に伝達します。
また、反射中枢としての機能も持っています。

 

脊髄は、髄節という単位に分類され、頸髄、胸髄、腰髄、仙髄に分かれます。

脊髄は、脊椎によって囲まれた脊柱の中を通っています。

 

脊髄は脊椎の中を通っているので、脊椎に保護されていますが、この脊椎が交通事故等の外力により損傷し、脊髄も損傷してしまうことが多いのです。

 

脊髄損傷の場合、体に麻痺症状が出ることが多いです。また、損傷の高さにかかわらず排尿障害を伴うことが多いです。


麻痺には、完全麻痺と不全麻痺があります。
不全麻痺は、損傷の場所、程度によって様々な麻痺があります。

 

 


 

脊髄損傷箇所と発生症状

脊髄損傷の場合、縦と横の視点で損傷の程度を検証していく必要があります。


縦は、高さの話です。


脊髄といっても、首の部分なのか、腰の部分なのか、また、その中でもどの部位なのか、という点が縦の視点です。

 

また、横の視点は、脊髄の横断面の話です。

 

 

縦の視点

 

脊髄を損傷した場合、その箇所から下にある部位に障害が出ます。
首を損傷した場合、首から下に障害が出ます。
呼吸障害にも注意しないといけなくなります。

 

首の頸髄を損傷した場合には、四肢麻痺が出ます。

 

頸髄の中でも、どの部分の損傷かによって、麻痺の程度や感覚障害の程度は変わってきます。

 

腰の腰髄を損傷すれば、腰から下、主に下半身の障害が出ることになります。

腰椎部の損傷では、両下肢の背屈、伸展筋力の低下が発生しやすくなります。

 

こちらも、どの部分の損傷かによって、下肢に麻痺は起きず、肛門周囲の感覚障害を生じるにとどまることもあります。

 

なお、排尿障害に関しては、大脳や脳幹部からの指令で調節されているため、損傷の高さにかかわらず発生することが多いです。

 

 

横の視点

 

脊髄横断面全体が損傷した場合、損傷した部位以下が完全麻痺となります。
一部の損傷の場合には、不全麻痺になります。

麻痺の程度が変わるということです。

 

一部損傷には、半側損傷、中心性脊髄損傷、前部脊髄損傷、後部脊髄損傷などがあります。

 

損傷の場所によって症状は異なります。

 

 

 

 

脊髄障害の自賠責等級認定基準

 

麻痺の程度と範囲で、
四肢麻痺
対麻痺(両下肢又は両上肢に生じる麻痺)
単麻痺(上肢又は下肢の一肢のみに生じる麻痺)
があります。

 

また、各麻痺の程度として、高度、中等度、軽度の3区分があります。

 

高度
運動性・支持性をほとんど喪失
基本動作はできない
完全硬直やこれに近い状態をいいます。

 

中等度
運動性・支持性を相当程度喪失
基本動作にはかなりの制限がある状態
障害のある上肢では500g程度のものを持ち上げることができない例や
障害を残した一下肢のため、杖又は硬性装具なしには階段を上れない例が紹介されています。

 

軽度
運動性・支持性を多少喪失
基本動作には、動作の際の巧緻性と速度が相当程度損なわれている状態


障害のある上肢では文字を書くことに困難を伴う例や
障害を残した一下肢のために、不安定で転倒しやすく、速度も遅い状態の例が紹介されています。

 

 

後遺障害の等級認定基準では、これらの症状を組み合わせることになります。

 

たとえば、別表第1・1級1号では、
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」とされています。

 

労災補償障害認定基準では、せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するものとされ、 高度の四肢麻痺、対麻痺か、中等度で常時介護が対象となります。

 

別表第1・2級1号では、
「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」とされています。

 

労災補償障害認定基準では、せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するものとされ、
中程度で随時介護が必要な対麻痺、中程度の四肢麻痺、軽度で随時介護が必要な四肢麻痺が対象とされています。

 

 

 

 

 

脊髄障害、後遺障害認定のポイント

 

脊髄損傷の診断では、MRIが重視されます。


脊髄の形態変化や髄内信号変化等が認められるのかポイントになります。


頸髄損傷が疑われる際には、画像診断のスクリーニング手段としてCTが推奨されており、こちらも脊髄損傷認定の際に有益な画像となります。

 

脊髄損傷では、反射テスト、筋力テスト、感覚テスト等により神経症状を特定していくことになります。
深部腱反射検査や筋萎縮検査の結果も重要です。

 

そして、画像所見と神経学的所見が整合するかチェックされることになります。


すなわち、主治医の意見書に書かれている麻痺の症状や関節可動域の制限等の結果と整合するか審査されることになります。

 

また、事故で受けた衝撃等も問題になるため、事故態様も検討されます。

 

 

 

脊髄障害で認められる損害


治療費
入通院慰謝料
後遺障害慰謝料
休業損害

後遺障害逸失利益

 

麻痺の程度によって
医療器具費用、将来の装具費
家屋等改造費
車両購入費、改造費
将来介護費 など

 

脊髄障害で争点になりやすいポイント

争点: 脊髄損傷があったかどうか。

 

脊椎の骨折や、損傷がMRI、CT等の画像から明らかである場合や、事故直後から四肢麻痺の症状が出て麻痺の箇所も脊髄損傷箇所と符合するような場合には、あまり争われないでしょう

 

これに対し、画像上、脊椎の骨折や脱臼などが明らかではない場合、脊髄損傷があったかどうかから争われる可能性が高まります。

脊髄損傷の横の視点で、横断面の一部損傷による不全麻痺の場合、症状にばらつきが出ます。

 

特に、中心性脊髄損傷は、脊椎の骨折、脱臼がないことが多く、争われることが多いです。

 

このような場合、事故の態様(衝撃の程度)、症状と麻痺の範囲等の整合性、既往症の有無・内容等で、脊髄損傷や交通事故との因果関係を証明していく必要があります。

 

 

 


 

 

将来介護費


脊髄損傷において、麻痺状態により介護が必要な場合、将来介護費用の請求が可能です。
別表第二の1級1号、2級1号の認定の場合には、将来介護費用の請求が認められますので、職業介護人による介護なのか、近親者の介護なのか等の介護の体制や、その費用を証明していくことになります。

 

 

 

素因減額

 

脊髄障害のケースでは素因減額の主張が保険会社側からされることが多いです。
事故前の経年性変化によって、治療が長期化したり、後遺障害の程度に寄与したと判断される事例もあります。
後縦靭帯骨化症という後銃靱帯が骨に変わる病気がある場合、この靭帯が神経を圧迫するため、麻痺症状が出ることがあります。
これを原因として損害額を5割減額した裁判例もあります。
その他、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脊髄空洞症で素因減額が争われることが多いです。

 

 

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