交通事故の加害者が、通勤中や帰宅中の運転であった場合、加害者本人だけでなく、その加害者を雇用していた会社等に対しても、損害賠償請求ができないか問題になります。
民法715条の使用者責任を問えるかどうかという問題で、「事業の執行について」事故を起こしたかどうか、の判断になります。
神戸地裁平成8年9月19日判決は、通勤中の事故について、
などを理由として、使用者がその自動車の使用を命令、助長するなど、自家用車による通勤と使用者の業務との間に強い関連性が認められる特段の事情のない限り、その運転行為が当然に事業の執行になるとはいえない
として、会社に対する請求を否定しました。
通勤事故の使用者責任を追及する際には、通勤に自動車を利用していた実態まで調査する必要があります。