アプリ作家、プログラマーの逸失利益が問題になったケースです。
➡ 事案
被害者は、アプリ作家、プログラマー。症状固定時32歳。
被害者の所得は、アプリの売り上げによって大幅に変動。
事故日から症状固定まで8か月。
高次脳機能障害の後遺障害(5級該当)。
➡ 判決内容
アプリには流行り廃りがあるところ、本件アプリの月平均の売上額が、リリース当時から約四年間で10分の1程度になったことなどからして、一件の大ヒットアプリでも数十年にわたり継続的に大きな売上が見込めるものとは認めることはできない。
また、開発したアプリは、そもそもそれがヒットするか否かも未知数であるところ、原告が開発したアプリの中で本件アプリのようなヒット商品が他に存在したことを認めるに足りる証拠は存在しない。
中略
そうすると、原告について、本件事故前の三年間の平均年収を、本件事故後も継続して得られる蓋然性は認め難いと言わざるを得ない。
➡ 結果
症状固定後5年間は、過去の平均年収である約1609万円、その後は賃金センサスを上回る概算額として約627万円を基礎収入として、休業損害・逸失利益を算定した。