被害者が役員報酬を受け取っていた事案です。
役員報酬は、事故で被害を受けた場合でも、もらえるのではないかと疑われ、休業損害や逸失利益から外されてしまうこともあります。
しかし、役員報酬という名目であっても、実際に働いたうえで受け取っている部分は、労働の対価ですので、怪我で働けなくなれば受け取れなくなる可能性があります。
そのような労働の対価部分については、損害として請求できます。
この裁判例では、役員報酬600万円のうち、480万円は労働の対価であると認定しています。裁判では主張や立証によって、認定される割合が変わるところです。
ただし、事故当時、被害者が66歳だったことから、働ける期間は、2年間と短い期間のみ認定されています。